患者のために捧げる時間

残業をしてでも患者に処置をしていくべきだと思っている看護師がいることでしょう。病床がいっぱいになっている病院であれば、常に患者を看取らなければいけないことがうかがえてきて、今居る看護師の数では残業せずに仕事を終わることが困難なのです。完璧な看護体制の下で患者を看護するために、どうしても残業をしなければいけないことを考えてしまいます。残業をすることは一種の自己犠牲をするようなものだと考えている看護師は少なくないでしょう。ただでさえ大変だとされる看護の仕事なのに、その上に残業をすることは、自分の首を絞めているような苦しいものだと捉えている方がいても不思議ではないと思うのです。それでも自分が残業をすることで救われる命があるならば、残業を義務的なものとして快く引き受けていく看護師がいてもおかしくないでしょう。
自分が担当する患者と仲良くなった場合は、その患者と少しでも長く話したいという気持ちになり、残業をしてでもその患者の処置を行いたくなるものです。その患者のためにする残業を有意義な時間として捉えていることがうかがえてきて、ともすればその患者と恋愛へ発展したらいいのに、と思うようになるのかもしれません。残業は余計に仕事をしなければならないというネガティブな印象がありますが、ドラマのような展開により、新たな人生の扉が開かれていくことは往々にしてあるため、残業を自分自身を見据える時間として捉える方がいても不思議ではないと思うのです。